脱毛症と一言でいっても、その特徴や原因は様々です。
一般的に脱毛症と呼ばれるものには、以下のようなものがあります。
AGA(男性型脱毛症)
AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で男性型脱毛症のことです。
一般に若ハゲといわれ、思春期を過ぎたころから徐々に脱毛が進展する、男性に多い脱毛症です。
前頭部(生え際の後退、左右のそり込みの拡大)と頭頂部(つむじ周囲)の薄毛が特徴です。
このAGAは、男性ホルモンであるテストステロンの影響により、発毛周期(ヘアサイクル)の成長期が短縮して、休止期が長くなることで起こります。
さらに詳しいAGAの脱毛の仕組みは、以下のページをご覧ください。
>>>AGAの脱毛の仕組み
びまん性脱毛症(女性型脱毛症)
女性の薄毛の7割以上が、このびまん性脱毛症だと言われています。
びまん性脱毛症は、頭皮や毛根部の細胞の老化が主な原因で起こる脱毛症で、中高年以降の女性に多くみられます。
びまん性脱毛症の特徴は、まず頭部全体が薄くなり、フサフサ感が減少して、前頭部や頭頂部、毛の分け目などが目立つようになります。
これは、発毛周期(ヘアサイクル)の成長期が短縮して休止期が長くなることで、毛髪が細くなり、色が薄くなって、髪の毛がうぶ毛化するためです。
悪化すると、全頭脱毛(頭髪が完全に抜け落ちてしまう脱毛)に進行します。
さらに進行すると、汎発(はんぱつ)性脱毛といって、全身全ての毛が抜け落ちてしまい、極端に回復が困難な場合は難治性の脱毛になる場合もあります。
分娩後脱毛症(産後脱毛症)
分娩後脱毛症(産後脱毛症)とは、出産後やピル服用後にみられる脱毛症で、女性ホルモンの分泌量の変化が原因です。
妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えるため、抜け毛は少なくなります。しかし、出産後はホルモンバランスが正常に戻るため、妊娠中に抜けなかった毛が一気に抜け落ちてしまいます。
これが、分娩後脱毛症(産後脱毛症)の特徴です。
このとき全体の20%の毛が、一気に抜けてしまう場合もあります。
通常は1年くらいで元の状態に戻ることが多いので、あまり心配することはありませんが、場合によってはそのまま回復しないケースもあります。
その場合は病院で診療を受けましょう。
脂漏(しろう)性脱毛症
脂漏性脱毛症は、皮脂分泌の過剰な人に起こる脱毛症です。
思春期以降の男性に多くみられ、前頭部や頭頂部が薄くなる特徴があります。
皮脂の過剰分泌により、脂質が酸化されて過酸化脂質となり、皮膚を刺激することが原因です。
また、毛穴にこびりついた皮脂は、通常のシャンプーでは取りきれないため、細菌が繁殖し、頭皮や毛根が炎症を起こすことも原因とされています。
常に頭皮を清潔にするように心がけることが最も大切です。
粃糠(ひこう)性脱毛症
粃糠性脱毛症とは、角化異常によって大量に発生したフケが毛穴をふさぎ、炎症を起こすことにより引き起こされる脱毛症です。
乾燥したフケが大量に出るのが特徴です。
粃糠性脱毛症の原因として、シャンプーのし過ぎなどが挙げられます。
頭皮を清潔にするのはとても大切なことですが、何度もシャンプーをして必要な皮脂まで落とすことは、逆に皮脂を増やすことになり、角化異常を引き起こしかねません。
頭皮の状態が普通の方なら、シャンプーの回数は2日に1回ぐらいでも大丈夫なのです。
またフケが出るからといって、フケ用シャンプーをむやみに使用することはやめた方がいいでしょう。
フケ用シャンプーは、角質や角片を溶かしているだけで、角化異常によるフケを止める力はありません。
逆に、フケを溶かす成分が自分の頭皮に合わずに、角化異常を引き起こす原因となることもあるので、注意が必要です。
牽引(けんいん)性脱毛症
ポニーテールや三つ編みなど、長年に渡って強い力で髪を引っ張っていると、脱毛してしまうことがあります。
これを、牽引性脱毛症と呼びます。
なるべく同じ髪型は避けるようにして、強い力で縛ることのないヘアスタイルを心がけましょう。
トリコチロマニー(抜毛狂)
トリコチロマニーの語源は、
- トリコ(毛髪)
- チロ(引っ張る)
- マニア(熱狂者)
という3つの言語を組合わせたものです。
この語源のように、毛根は正常なのに、自分で毛を抜いてしまう癖のために起きる脱毛をトリコチロマニーと言います。
特に低年齢の女児に多くみられます。
原因としては心理的ストレスがあげられ、治療はそのストレスの原因を探り、解消させる必要があるため、周りの人の理解と協力が必要です。
さらには皮膚科医、精神科医などによる、総合的な治療が必要な場合もあります。